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日本語がうまく伝わらない?ベトナム人をはめじとする外国人とのコミュニケーションをスムーズにする方法

2024.03.12仕事関係

こんにちは、アイプランニングです。皆さん、ベトナムをはじめとする外国人と日本語でコミュニケーションをとる際、「言いたいことが上手く伝わらない」と感じたことはありませんか。外国人にも分かりやすく話そうとしても、なぜか上手く伝わらないことがありますよね。特に、仕事で外国人と接する機会がある方は、この経験を一度はされたことがあるのではないでしょうか。例えば、社内にベトナム人などの外国人がいる場合、業務上重要なやりとりも発生します。ですが、日本語が上手く伝わらないと、お互いの業務に支障をきたす可能性もあります。

そこで、彼らと円滑なコミュニケーションを取るために、彼らの母国語を学ぶか、通訳を利用することも考えられますが、実際には自分の日本語の話し方や表現を工夫することが、最も現実的で迅速な方法です。どのようにすれば自分の意思をベトナム人や他の外国人にも分かりやすく伝えられるのか、今回のブログではその伝わりやすい日本語のポイントをいくつか紹介していきたいと思います。

「日本語は難しい」って本当?

多くのベトナム人だけでなく、外国人一般が日本語を習得するのは「非常に難しい」とよく言われますが、実際のところ、その難易度はどの程度なのでしょうか?今回は、日本語の難易度を表す米国合衆国国務省(United States Department of State)が公表した言語習得難易度ランク(Language Learning Difficulty for English Speakers)という調査データをご紹介し、一緒に考察してみたいと思います。

アメリカ外交官養成局(FSI: Foreign Service Institute、国務省の外交官育成機関)によるこの調査は、英語を母語とする局員が各言語を習得するのに必要な期間をもとに、言語の習得難易度をランク付けしたものです。言語はカテゴリー1~5に分類され、ご覧のように、日本語は最も高い難易度のカテゴリー5に位置しています。さらに、*(アスタリスクマーク)が付いており、「同カテゴリーの他の言語よりも難易度が高い」ことを示しています。要するに、日本語は唯一の”カテゴリー5+”として、最高難度とされています。

このランクによれば、日本語で「日常的や専門的なコミュニケーションにほぼ支障が出ないレベル」に達するためには、88週間(2,200時間)が必要です。1日3時間休みなく続けたとしても733日、つまり約2年かかります。しかも、この指標は米国の外交官を対象としているため、相当な知的レベルや学習コンピテンシーを持つ人でも2年かかるということです。日本語を学んでいる外国籍の方々が、どれほどの困難に立ち向かっているかが、よく理解されるでしょう。

このランクによれば、日本語で「日常的や専門的なコミュニケーションにほぼ支障が出ないレベル」に達するためには、88週間(2,200時間)が必要です。1日4時間休みなく続けたとしても550日、つまり約1年半かかります。しかも、この指標は米国の外交官を対象としているため、相当な知的レベルや学習コンピテンシーを持つ人でも1年半かかるということです。日本語を学んでいる外国籍の方々が、どれほどの困難に立ち向かっているかが、よく理解されるでしょう。

日本語の特徴

では、外国人にとって日本語が難しい特徴は何でしょうか。具体的な理由を挙げてみましょう。

まず、漢字が挙げられます。日本の常用漢字は膨大な数に及び、その中には記号のような漢字も含まれます。これらを習得するのは容易ではありません。さらに、漢字には一つの字に複数の読み方が存在します。また、「自身・自信・地震」のような同音異義語も多く、外国人の日本語学習者にとっては難関となります。

次に挙げられるのは、日本語の曖昧さです。特に会話において、主語の省略が頻繁に起きます。例えば「資料は後で見ておきますから、そこに置いといてください」という会話は、ビジネス上ではよくあるものですが、誰が何をするのかが明確に指し示されていないため、外国人にとっては理解しにくくなります。また、「それはちょっと…」や「考えておきます」といった表現も、日本語の曖昧さを象徴しています。

さらに、外来語も日本語学習者にとっては難しい要素です。多くの外来語は、日本独自の意味や使い方に変化しています。例えば、「バイキング」は日本語では「食べ放題」を指しますが、英語の「Viking」とは全く異なる意味です。これらの違いが、外国人とのコミュニケーションにおいて混乱を招くことがあります。

そして、オノマトペも外国人にとっては理解が難しい部分です。日本はオノマトペが多く、その音が表す意味を理解するのは容易ではありません。例えば、雨や雪が降ることを表すオノマトペには「ポツポツ」「パラパラ」「サー」「ザーザー」などがありますが、これらの違いを理解するのは外国人にとって難しいでしょう。

最後に、敬語も日本語学習者にとっては難関です。特にビジネスの場面では、複雑な使い分けが求められます。丁寧語・尊敬語・謙譲語などの適切な使い分けは、日本文化や社会の慣習を理解することが必要です。

どうすれば分かりやすい日本語を話せる?

日本語の難しさに気づいたら、普段使っている日本語の見方が少し変わったのではないでしょうか。まずは日本語の仕組みを理解することで、、外国人と日本語を話す際の意識にも繋がります。そこで、外国人にも分かるように配慮した簡単な日本語を話すための要素をいくつか解説していきます。

まずは、短文でわかりやすい言葉を使い、ゆっくりと話すことが大切です。「明日はガイダンスを実施しますから、9時に会議室に集合してください。」の代わりに、「明日はガイダンスがあります。9時に会議室です。わかりましたか?」と相手が分かってもらおうという気持ちで表現することを心がけましょう。また、「です・ます」調を使うこともオススメです。外国人が日本語を初めて学ぶときは「です・ます」調で学びます。「田中さんどこか知ってる?」と外国人が理解できないこともあるので、「田中さんはどこにいますか。知っていますか?」と言い換えるように、疑問文を丁寧な表現に変えるとわかりやすくなります。

さらに、何か新しい日本語を説明する時は、外来語をできるだけ避け、代わりに適切なやさしい日本語を使うことも重要です。例えば、「ツール」を「道具」と言い換えたり、「メンタルヘルス」を「心の健康」と表現すると、相手に伝わりやすくなります。

また、漢字を使った言葉は、他の言い方に変えることで理解しやすくなります。特に、技能実習生などまだ日本語に慣れていない外国人には、和語の方がわかりやすい場合があります。例えば、「休憩していいよ。」という漢字の言葉で伝わらない表現は、「休んでいいですよ。」と和語に言い換えてみることで、より理解しやすくなります。

最後に、オノマトペや敬語も伝わりにくいため、控えましょう。例えば、「ピカピカにしてください。」を「きれいにしてください。」と言い換えたり、「ご両親はお元気ですか?」を「お父さんとお母さんは元気ですか?」と表現することで、相手に伝えたい日本語を易しくすることができます。

【まとめ】

外国人とのコミュニケーションにおいて、簡単な日本語への変換は難しい知識を必要としません。むしろ、日本語の複雑さを理解しているだけで、自然な変換が進むでしょう。文章や会話で伝える際には、イラストやジェスチャーなどの視覚的手段も重要です。さらに、もう一つ重要な要素は、その場の相手に合わせて柔軟に伝え方を工夫することです。

このやさしい日本語が普及すれば、外国人とのコミュニケーションが円滑になっていくのではないでしょうか。身近な外国人との対話で、今回のブログで紹介させていただいたやさしい日本語の基礎を活用しましょう。これが、日本社会全体の理解と共生を促進する一助となるでしょう。

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