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ベトナムの冠婚葬祭~お葬式編~

2024.04.10生活と文化

世界各国には、独自の文化や伝統があり、その中には人生の大きな節目となる冠婚葬祭に関する独特のしきたりが存在します。これらの慣習を理解することは、異文化理解や国際交流を促進する上で不可欠です。

そこで今回のブログは、ベトナムのお葬式に焦点を当てて、その慣習や特徴についてご紹介したいと思います。良好な国際関係を築くために、ベトナムの冠婚葬祭について知っておきましょう。

ベトナムのお葬式はどこで行う?

ベトナムのお葬式は通常、亡くなった人の家族や地域社会のコミュニティーが集まる場所で行われます。伝統的には、故人の自宅や家族の家で行われることが一般的です。しかし、都市部では葬儀式場や寺院などで行われることもあります。

ベトナムのお葬式は何日で行う?

ベトナムのお葬式は通常3日から5日にわたって行われますが、都市部ではより短い期間で行われることもあります。弔問客はその間のうち都合のつく時間に訪れます。

ベトナムのお葬式に参列する場合の服装は?

ベトナムのお葬式に参列する際の服装は、日本のように黒でなくてはいけないという厳格な決まりはありませんが、一般的には黒や地味な色の服装が好まれます。男性はノーネクタイでも問題ありませんし、暑い時期や地域によってはスラックスにシャツだけでも適切です。女性も、暗い色のワンピースやシャツにパンツなど、普段よりも整った服装であれば問題はありません。ただ、肌の露出が多い服や派手な色は避けるべきであり、アクセサリーの着用も控えるべきです。葬儀が厳粛な場合には、伝統的な服装がさらに求められることもあります。

ベトナムのお葬式に香典は必要?

ベトナムにも香典の文化があります。昔から、葬儀はご遺族だけのものではなく、村全体の仕事として捉えられてきました。近隣住民は手を携えて、少しずつ貢献して葬儀を行います。したがって、葬儀を手助けできない人々は、家族に対して果物、線香、ランプ、金銭などのお供え物を贈ります。昔は多くの家族が経済的に苦しい状況にありました。お葬式は高額な費用がかかるため、香典やお供え物は、ご遺族の負担を軽減し、相互扶助と愛情を示す伝統的な習慣として受け継がれています。玄関に「香典お断りします」と書かれた紙が貼られていることもありますが、それでも香典やお供え物を持参することが良いでしょう。家の前には受付が設けられており、そこで名前を告げて香典を渡したり、果物や線香を贈ったりすることが一般的です。また、菊の花や蘭の花などの献花も歓迎されますが、色鮮やかな花は避けるようにしましょう。香典は20万ドン〜30万ドン程度が一般的であり、親しい関係の場合は50万ドン〜数百万ドン程度となります。

ベトナムのお葬式の流れは?

まず香典を差し上げ、受付手続きを行います。名前が呼ばれたら、祭壇の方へ進みます。遺族から線香を1本渡され、その線香を手に取り、遺影の前で軽く2礼し、香炉に立てます。その後、故人の棺桶の周りを時計回りに一周し、外に出ると白ハチマキをした遺族が合掌し、参列者にお礼を述べることがあります。これらの手続きが終わると、故人を偲びながらお茶やお菓子を楽しみ、会話を交わすことができます。席は特に決まっておらず、帰る時間も自由です。都市部では、葬儀式場や寺院で行われる葬儀の場合、会食は行われず終了となりますが、田舎では一般的に参列者向けに会食が用意されます。地域によっては、余興や催し物も行われます。その場の雰囲気に合わせ、故人を偲びながらお別れのひとときを過ごしましょう。

ベトナムでの埋葬は?

ベトナムでは、かつては土葬が一般的でしたが、最近では都市部では火葬がよく行われるようになっています。ただ、地域や家族の信条によって異なることがあります。一部の家族は、火葬が故人の霊性に悪影響を与える可能性があると信じています。彼らは、遺体を火や高温で焼くことで、死者が安らかに眠ることができず、死後に平穏を得ることができないと考えています。またベトナム北部の場合、一度死者を土に埋め、2年か3年後に掘り起こし、骨だけを取り上げ、壺に入れて正式なお墓に埋葬する習慣もまだ残っています。肉は「汚れたもの」として見られており、一度お墓とは違った場所で埋葬することで肉を削ぎ落とし、綺麗に骨だけにしてからお墓に入れます。なんか恐ろしい面倒な習慣に見えますね。

ベトナムのお葬式の特徴と日本との違い

日本の家族葬とは違ってベトナムのお葬式は、家族や地域社会が共に喪失を嘆く機会であり、重要な社会的イベントです。日本のお葬式と比較すると、より煩雑で伝統的な儀式が多く残っています。一般的は遺族の方は白装束に白ハチマキです。ただ、故人との関係性によって、ご遺族のメンバーそれぞれの服装が異なります。また、妊婦、病人、幼児(乳幼児)は葬儀に参列すべきではないとも言われています。これらの人々は免疫力が弱く、葬儀に参列した後に病気になりやすいと考えられているためです。

さらに、ベトナム人はしばしば、葬儀の際に家中の全ての鏡を新聞紙で覆います。この習慣は、ベトナムの民間信仰に根ざしており、一般的に人が亡くなると、その魂がまだ家の中でさまよい歩くと信じられています。生者は肉体を持っているため、鏡を見ると自分の姿が映りますが、幽霊は肉体を持っていないため、鏡を通して自分の姿を見ることはできません。そのため、幽霊は鏡の中で自分の姿を見ることができないことに恐怖を感じ、解脱することが難しくなると考えられています。

最後の特徴として、葬儀の雰囲気が挙げられます。 ベトナムは南北に長い国なので、地域ごとに葬儀の習慣が異なります。 ベトナム北部では、喪に服すことは子供たちが亡くなった両親に親孝行を示す最後の機会であると信じられています。 そのため、葬儀の雰囲気は悲しみに満ちたものになることが多いです。 遺族、親戚、会葬者が泣けば泣くほど、故人への親孝行や献身的な気持ちが表れます。 多くの遺族は、故人に対する遺憾の意を数昼夜にわたって表明するために代わりに泣いてくれる借り泣き人を雇うことさえあります。

一方、ベトナム南部では、死は終わりではなく、次の世界への一歩に過ぎないと信じられています。泣くことは故人の安らかな成仏を妨げると考えられており、故人の子孫や親族は泣くことが少なく、自然な方法で感情を表現することができます。多くの遺族は故人を賑やかに送り出したいと考え、一晩中カラオケをしたりおしゃべりをしたりして過ごします。ニューハーフショーやサーカス、マジック、ギャンブルなどの娯楽活動さえも行われます。地域によって葬儀の雰囲気が異なるため、事前に確認しておくと良いでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。ベトナムのお葬式は、日本と似ているところもあり、全く違うところもありますね。

お葬式の文化や慣習は国や地域によって異なりますが、重要なのは故人を偲ぶ気持ちやご遺族への思いやりですね。生と死は人間の運命の一部であり、その過程で重要なのは、故人の安らかな旅立ちを願いながら、ご遺族を支えることです。文化の違いを超えて、敬意と尊厳を持って互いを理解し、共に悲しみや喜びを分かち合い、故人の旅立ちを祈りましょう。

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