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ベトナム家族と日本家族の違い:相互依存と共に生きる

2024.01.30生活と文化

皆さんは、日本で働くベトナム人がベトナムの故郷に定期的に送金している光景を見たことがありますか?この習慣は、日本ではあまり一般的ではありませんが、実際にはベトナムでは文化として根付いているようです。このようなシーンが、ベトナムと日本の家族文化の違いを象徴していると言えるでしょう。なぜなら、両国には独自の家族関係モデルが存在し、その違いが社会全体に影響を与えているからです。

家族文化は社会の基盤であり、異なるアプローチが生活様式や人間関係にどのような影響を与えているのかを考えることは、両国の多様性を理解する一助となります。今回のブログでは、特に家族間の相互依存と自己独立の観点から、ベトナムと日本の家族文化の異なるアプローチがどのように形成されてきたのかを深堀りしてみて、両国の家族文化に焦点を当て、異なる価値観やアプローチについて考えてみましょう。

ベトナム家族:相互依存の絆

ベトナムには「Con dại cái mang」という諺が存在します。これは、直訳すれば「子供が何か悪いことをしたら、親や養育者がその責任を負わなければならない」という意味です。実際に、多くのベトナムの家庭ではこの考えが根付いています。親は子供のためなら何でもするという強い信念を抱き、その努力は子供に対する深い愛を示しています。生まれた瞬間から親は子供の食事、睡眠、学業に心を砕き、将来に向けた計画を立てています。

親たちは「私たちは毎日一生懸命働いている。それはすべてあなたのためだ」と子供たちに伝え、子供たちは親の努力が自分の未来につながると信じ、その期待に応えようと努力します。学齢期に達すると、親は教育に重点を置き、子供の進学や将来の計画を明確に考えます。子供が社会に出るときも、親は引き続きサポートし、仕事や住まい、孫の教育にまで計画を立てます。

子供が成長し、働き始める時期は、自分の将来のために最も努力しなければならない時期であるにもかかわらず、親はすでに子どものために車や家を買っている場合が多いです。この時期に家や車を手に入れ、豊かな生活を築き上げるのは、子供が作り出したものではなく、親の一生にわたる努力と献身の結果と言えます。最も努力が必要な時期であるにもかかわらず、親が子供の未来を支え、成功をサポートする姿勢が、家族の強固な結びつきを築いています。

ただし、これは子供たちにとっても大きな責任を意味します。親の期待に応え、将来の成功に繋げるためには多くの努力が求められます。また、子供が成長してお金を稼いだら、両親が育ててくれた恩返しとして、親の世話や世話のためにお金を仕送りするのが当たり前のことです。親は生涯、子供のために生き、子供もまた親に依存し続けるという循環が形成されます。このベトナム家族モデルは「相互依存」型と呼ばれ、精神的な絆と経済的な利害関係が交錯しています。この相互依存関係により、ベトナムの家族関係は非常に緊密であり、血縁関係に加えて経済的な利害関係も結びついています。

日本家族:共に生きる精神

対照的に、日本の家族モデルは「共に生きる」というモチーフに基づいています。特に、親戚を含めて大人数で住むベトナム家族の形態に対して、日本では核家族化が進んでいるようです。しかし、この変遷においても、子育ては親の責任であり、家族全員が協力し合いながら共に成長していくことが重要視されています。日本の家族関係にはお金と時間という2つの明確な要素が存在します。

お金の面では、親は子供に対して厳格な教育や経済的なサポートを提供しますが、同時に、独立心を促進するためにも、子供たちは自立し、自己管理を学ぶ必要があります。親のサポートがあるからこそ、子供たちは安心して成長し、自立の道を歩むことができるのです。また、時間の面では、家族とのコミュニケーションや共同作業が重要視されながらも、日本の家族は各メンバーのプライベートな時間も尊重します。これは、家族が互いに一緒に過ごす時間を大切にしつつも、個々の個人的な空間や趣味、考えを尊重し合う文化が根付いています。

このように、成人した親と子は比較的対等に接します。この関係のあり方は、ベトナムの文化においては中々理解しにくいことかもしれません。ベトナムは儒教の影響が強く、「年長者を敬う」「家族を大切にする」といった価値観が浸透しています。そのため、親を最も尊敬すべき存在として捉えることが一般的であり、日本のような対等な関係が馴染みにくいかもしれません。

まとめ:異なる文化、異なる家族モデル

これらの違いを通じて、ベトナムと日本の家族モデルがそれぞれの社会歴史や文化的背景、地理的環境の影響を受けていることが明らかになります。どちらが良いかを判断することは難しいが、それぞれのモデルには独自の論理があり、社会において重要な役割を果たしています。

ベトナムの相互依存型のモデルは、家族全体が緊密な結びつきを持ち、親が子供の未来に対して献身的に尽力する特徴があります。このモデルは、家族が共に喜びや悲しみを分かち合い、経済的な支えだけでなく、感情的な支えも提供し合います。親が子供たちに対して強い関与を持ち、家族全体が一つの単位として統合されています。この結束力がベトナム社会において絆の深さや共同体感覚を生み出しています。

一方で、日本の共に生きるモデルは、家族全員が協力して成長し、個々の自立を重視しています。これは、個人の自由や独立心を尊重する文化が反映されています。親と子供が対等な関係でありながらも、協力して家族全体が共に進化していくことが重要視されています。

どちらが優れているかは主観的であり、人それぞれの価値観や生活環境によって異なります。重要なのは、異なる文化を理解し、尊重し、共存することができることです。国々の独自性が豊かな国際社会を形成する一助となるでしょう。異なるモデルが共存する中で、相互に学び合い、共通の理解を築くことが、より豊かで持続可能な社会の構築に寄与することでしょう。

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