ベトナム人技能実習生の失踪:背後に横たわる根本的な原因とは?Part.1
近年、日本国内の労働力不足により、海外からの労働者を雇用する需要が高まっています。特に、ベトナムからの技能実習生の数は他国を抜いて国別で1位となっています。 しかしながら、このような外国人労働者の受け入れは人手不足の解消に役立つ一方で、ベトナム人技能実習生の失踪問題が日本政府や受け入れ企業に深刻な懸念を抱かせています。
ベトナム出身の技能実習生の失踪率はどの程度ですか?
出入国在留管理庁の令和3年のデータによると、技能実習生の失踪者数は全国で7,167人であり、そのうちベトナム籍が全体の60%以上を占めています。また、業種別では建設業界での失踪が50%を超えており、国籍や業種に偏りが見られる傾向があります。
ベトナム技能実習生が失踪する理由は何ですか?
ベトナムからの技能実習生の失踪が増加している背景には、この国からの技能実習生の数が増加し続けていることが一因とされています。しかし、ベトナムからの技能実習生の失踪が増加している根本的な原因は何でしょうか。今回の記事では、その原因について探ってみましょう。
法務省の調査によると、失踪した外国人技能実習生のうち約70%が、「低賃金」を主な理由として挙げています。ただし、最低賃金を下回る違法行為を除いた場合、不満の根源は期待していた給与水準とのギャップにあるようです。
法務省の情報によると、実習生が失踪する主な理由は以下のように挙げられます。
- 労働賃金に対する不満
- パワーハラスメントの経験
- 実習期間終了後も日本での雇用を望む
これらの要因について今回のブログで詳しく解説してみます。
1.労働賃金に対する不満
労働賃金に対する不満に関して、2017年1月から2018年9月にかけて、法務省の「技能実習制度の運用に関するプロジェクトチーム」が実施した調査では、労働賃金に関連する違反事案が多く報告されていました。技能実習生は生活費や教育のために多額の借金をしており、そのため「契約通りの給与が支払われない」「最低賃金未満での労働を強いられる」など、労働賃金に対する不満が高まると、より良い給与を得られる可能性のある仕事を求めて失踪するケースが見られます。
しかし、実際のところ、多くのベトナム人技能実習生がFacebookグループなどのソーシャルネットワーク上で告白しているところによれば、賃金に対する不満は経営者の法律違反によるものだけではないこともあります。SNSを利用するベトナム国民は非常に多く、そこに掲載された情報を疑わずに受け入れる傾向があるため、一部の悪質なユーザーが高額な給与の写真を頻繁に投稿し、それを信じてしまうケースも見られます。実際には、現在の雇用主が労働法に違反しておらず、給与も安定しているケースであっても、時給数十円のわずかな違いだけで、ベトナム人技能実習生が失踪し、不法労働者となる可能性があります。
以上はPart1の内容でした。次回の記事では、ベトナム人技能実習生が直面するパワーハラスメントの実態と、技能実習期間終了後の雇用に対する彼らの願望に焦点を当てます。どうぞお楽しみにしていてください!