ベトナム人と一緒に働く際の注意点 Part.2
こんにちは、みなさん。前回のPart 1では、ベトナム人と一緒に働く際の留意点について探求しました。そして、Quizの正解は b) 料理のシェアリング でした。ベトナムでの食事文化における料理のシェアリングは、人間関係の構築において重要な役割を果たします。それはお互いの文化や独自性を尊重し、共感を生み出す重要な瞬間となります。
しかしながら、ベトナム人と一緒に働く際に留意すべき点は、コミュニケーションや食事文化に限らず、他にも存在します。たとえば、時間の概念は柔軟で、正確な予定通りに進むことが稀です。また、家族や親戚との関係を大切にする習慣があります。これらの文化的な特徴を理解し尊重することが、円滑なコラボレーションや効果的なチームワークの構築に繋がります。
今回のPart 2では、これらの留意点に加えて、ベトナム人の仕事観や考え方に関連する重要な側面や成功のための秘訣について、さらに深く探求していきたいと思います。
時間に対する柔軟性
ベトナム人との業務において、時間観の違いがトラブルの原因となり得ます。日本では時間の厳格な管理が通例であり、出勤や休憩時間の厳守が重視されますが、ベトナムでは時間に対するアプローチが異なり、公共交通機関の遅延などがよく見受けられます。こうした差異が、ベトナム人が約束の時間や勤務時間を厳守しない可能性を高める原因となることがあります。
時間に関する異なるアプローチは、業務遂行における誤解やストレスを引き起こすことがあります。したがって、ビジネス環境においては、双方の文化的背景や時間観についての理解を深めることが不可欠です。ベトナムでは、時間に関する考え方は柔軟性を重視しています。ビジネスにおいては、時間の厳密なコントロールよりも柔軟性が重要視され、予定やスケジュールの変更が頻繁に行われます。この柔軟性は、時間が変動しやすい社会的な環境から生まれています。
したがって、ベトナムパートナーと一緒にビジネスやプロジェクトを進める際は、余裕を持った計画を立てることが重要です。予期せぬ変更や遅れが生じる可能性を考慮に入れ、柔軟で臨機応変な姿勢で対応することが求められます。一方で、日本企業がベトナム人を雇用する際は、時間に関する価値観や文化を理解した上で、トレーニングや教育を通じて時間の厳守を促進することが重要です。これにより、業務の円滑な進行だけでなく、トラブルを未然に防ぐことにも繋がるでしょう。
家族を大切にする気持ちへの理解
ベトナム人にとって最も大切なのは「家族」です。ここでの家族とは、自らの家庭だけでなく、親、兄弟、祖父母、親族までを指します。例えば、祖父母の命日には仕事を休んで実家へ帰省することがあります。こうしたベトナムの慣習は、日本人が仕事を最優先する考え方とは異なり、理解されにくいかもしれません。この文化的な背景を考えると、日本の雇用主が年に一度の帰国休暇を認めたり、休暇制度を整えたりすることは、ベトナム人にとって喜ばしいことです。
また、日本で働く多くのベトナム人は、未婚・既婚に関わらず、家族に仕送りをしています。そして、日本での労働期間中は家族と一緒に過ごせないため、稼ぐことが最優先であり、そのために残業や休日出勤を積極的に行う傾向があります。
一方で、ベトナムで仕事をする際に、ベトナム人が仕事とプライベートを明確に区別する傾向があると理解するのは必要になります。独身であっても、就業時間が終わればプライベートモードに切り替え、ササっと帰宅してしまう傾向があります。また、家族を第一に考えるため、残業や休日出勤を積極的に受け入れることは少ないです。そのため、ベトナムでは旧正月(テト)には出勤者を増やすために、高額な手当が支払われることもあります。ベトナム人との飲み会においても、既婚者は家族からの電話に気を配り、帰宅時間を考慮する傾向があります。
ベトナム人と業務を進める際には、円滑な進行のためにベトナム人が家族を大切にする気持ちを理解することが求められます。
まとめ
これまでに、ベトナム人との仕事で留意すべきポイントをお伝えしました。日本には「郷に入れば郷に従え」という言葉がありますが、私自身もその考え方に賛同しています。ベトナム人は日本の社会に溶け込むため、日本語、日本文化、日本企業でのビジネスマナーや環境に適応する努力をしています。しかし彼らだけでなく、雇用者側や共に働く側も、彼らの価値観や仕事文化を理解し、お互いが働きやすい環境を整えるためには、職場の改善や制度の見直し、指導方法の工夫などが不可欠だと考えています。
最後に、簡単なクイズをご用意しました。ベトナムにおけるビジネス環境で留意すべき文化的な側面は次のうちどれでしょうか?
a) 時間厳守と厳格な働き方
b) 家族や人間関係を尊重する価値観
c) 効率を最優先する業務進行
d) 個人の意見やアイデアを抑制する社会慣習
このクイズを通じて、ベトナムのビジネス文化を理解し、ベトナム人と共に仕事をする際に役立つ情報になれれば幸いです。正解は自分なりに考え、答えを見つけてみてください。文化的な違いを理解することは、円滑なコミュニケーションや効果的な協力に大いに役立つでしょう。