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ベトナム人技能実習生の失踪:背後に横たわる根本的な原因とは?Part.2

2023.12.11仕事関係

前回の記事Part.1では、ベトナム人技能実習生が抱える労働賃金に対する不満に焦点を当てました。しかし、失踪問題はこれだけではなく、彼らが職場で経験するパワーハラスメントや実習期間終了後に日本での雇用を希望するなど、さまざまな側面を持っています。今回のPart.2では、その一部を詳しく掘り下げてみたいと思います。

 2.パワハラ・セクハラの経験

労働賃金に対する不満だけでなく、ベトナム人をはじめとする外国人技能実習生が日本で直面する課題の一つがパワーハラスメントです。文化や言語の違い、そして実習生の立場の弱さから、上司や同僚からの圧力や威圧的な態度を受けるケースが少なくあります。社長や先輩からの暴力を含む過激な言葉で責められるケースもあり、これによってベトナム人技能実習生が傷つくこともあります。

技能実習生に対するパワーハラスメントは、単なる圧力や威圧的な態度だけでなく、深刻な人権侵害にまで及んでいます。彼らはしばしば暴行や脅迫、セクシャルハラスメントまでも経験しており、「日本語が理解できず、上司から暴力を受けた」「会社の社長に呼ばれて、性的な行為をされた」「旅券や在留カードを取り上げられた」といった事例が報告されています。さらに、仕事中にケガをした場合でも、労災保険に関する情報を隠蔽され、治療を受けられないようにされる「労災隠し」も発生しています。

こうしたパワーハラスメントやセクシャルハラスメントは、技能実習生の安全や尊厳を脅かし、心身の健康に深刻な影響を与えます。このような過酷な状況が、彼らの不安定な立場や精神的負担を増幅させ、結果的に失踪につながる一因となる可能性があります。安全で尊重される職場環境の欠如が、技能実習生が逃れる手段として失踪を選択することに繋がるというのは深刻な問題です。彼らの権利と尊厳を守り、パワーハラスメントを含む違法行為を根本的に解決することが喫緊の課題と言えるでしょう。

 3.実習期間終了後も日本での雇用を望む

技能実習生は、実習期間終了後に母国に帰国することが求められますが、一部の実習生は日本での雇用を望み、失踪して不法就労するケースがあります。企業側では、実習終了後のキャリアプランや実習生の意向を確認することで、この問題を予防することが可能です。

日本での生活や技術を習得し、慣れ親しんだ環境で働き続けたいという実習生の希望から、実習終了後も日本に残りたいという欲求が生まれます。失踪は個人の問題ではありますが、予防策を講じることが重要です。対策として、実習期間中から実習終了後の人生プランや進路について話し合い、実習終了後も母国に帰国せずに日本で働く意向を持つ実習生を特定することが有効です。面接時には将来のキャリアプランを確認し、実習終了後も継続して実習生との進路確認の面談を定期的に実施することも推奨されます。

このような対策を通じて、実習生が将来の計画を明確にし、不法就労や失踪といった問題を予防することができるでしょう。しっかりとコミュニケーションをとり、実習生の意向や目標を把握することが、問題を未然に防ぐ鍵となります。

考えられる他の失踪の原因

① 最初から転職を意図していた場合

ベトナムから送り出される機関や関係者から不正確な情報を得て来日することや、最初から転職を計画していたために技能実習制度を利用することが、失踪へとつながる要因の一つです。本人が正確な情報を持っているのか、また送り出し機関が意図的に不正行為を行っているか、未解決の問題です。こうした情報操作が日本への入国後、失踪へとつながる事例が見受けられます。

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