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テト:新年の幕開けと古典的な風習 Part.2

2024.02.08生活と文化

ベトナムでは旧正月のことを“テト(Tết)”と呼ばれ、毎年1月中旬から2月中旬にかけてのテト休暇は、ベトナムの人々にとって非常に重要な時期です。新暦(太陽暦)で正月を迎える日本人にとって、ベトナムのテトは馴染みのない文化かもしれません。

中国の春節と同様に、ベトナムでも旧暦で新年を祝います。テト休暇中、家族は一堂に集まり、食事を楽しみながら過ごします。テトの約1ヶ月前からは、市場やスーパー、街中などでお正月の装飾品や贈り物、お年玉袋などが販売されます。ベトナム北部では桃の花が人気で、南部や中部では黄色い梅の花や金柑の木がよく見られます。

前回のブログでは、ベトナムのテトの風習についていくつかご紹介しました。今回は、その続きをお届けします。

テト期間中の花装飾: 幸運と繁栄の象徴

テトの期間中の花飾りは重要です。花はどの家庭にも欠かせないアイテムであり、その美しさと良い香りは幸運の象徴とされています。花が美しく香り高ければ、テトはより豊かなものとなると信じられています。

北部では、ピンク色の桃の花が幸運の象徴とされており、金柑の木の実が豊かであれば、その家族が繁栄することを示しています。そのため、赤桃の枝を祭壇に飾ったり、桃と金柑の木を家の飾りに選んだりする習慣があります。これにより、新年にさらなる幸運が訪れると信じられています。

一方で、中部と南部の地域では、黄色の梅の花が飾られることが一般的です。これは、黄色の梅の花が封建王の高貴さを象徴し、発展と進歩のシンボルであるという信念に基づいています。地域によって異なる色や花が使われますが、それらはすべて幸運、幸福、そして家族の繁栄を象徴しています。

五果物盆の盛り付け

5種の果物が盛り付けられたフルーツトレイは、ベトナムの伝統的な祭壇でよく見られます。これは旧正月に祖先を祭る際に飾られ、その意味は深いものがあります。なぜなら、この5つの果物は人間の生命の要素を象徴しているからです。金、木、水、火、土に対応し、それぞれの要素が生命の成長や発達を表しています。また、数字の5は幸運や繁栄を象徴するポジティブな数であり、誕生や新しい始まりを意味します。

ベトナムの正月には、祖霊祭壇に欠かせないこの五果物盆があります。地域によって異なる果物が使用されることもありますが、どの地域でも同じ意味を持ちます。この果物は祈りや願いを込めて配置され、新年の平和や幸福、繁栄、そして豊かさを願う象徴として捉えられます。

新年の最初の訪問者

大晦日が過ぎ、新しい年が始まると、多くの家庭では新年の最初の訪問者を選ぶ伝統があります。最初の訪問者が新年の幸運に影響を与えると信じられています。そのため、多くの人々が最初の訪問者を事前に選び、家に招待することを好むのです。

新年の最初の訪問者は、適切な年齢であること、穏やかであること、家族が幸せであること、そして元気であることが求められます。これらの条件が満たされると、その年の運気が良くなると信じられています。

新年の最初の訪問者を通じて、家庭の運気を人為的に操作し、幸福度をあらかじめ決定しようとする慣習は、確かに大胆で興味深いものですね。

新年のあいさつ回りとお年玉

新年のあいさつ回りの文化は古くから存在しており、年の最初の日である1月1日には、家族全員で祖父母の家を訪れ、新年をお祝いしたり、一緒に食事を楽しんだりします。2日や3日には、先生や友人、そして近所の家を訪ねて新年のあいさつ回りを行います。

子どもや孫は祖父母や高齢者に対して、新年の健康、幸運、平和を願い、大人はその願いを込めて長方形の小さな赤い封筒を渡します。そのお年玉には、子どもたちと年長者の健康と平和を願う意味が込められています。お年玉を受け取った孫たちは、ますます幸運と成功を得ることができるでしょう。

お年玉の金額は重要ではありません。その意味と文化が重要であり、贈る側と受け取る側の両方にとって幸運と幸福を象徴します。

初詣の習慣

ベトナム人の精神生活において欠かせない初詣は、豊かな伝統文化の一端を担う重要な習慣です。新年を迎えると、すぐに多くの人々がお寺や神社を訪れ、初詣に出かけます。ここでは健康や平和はもちろん、夫婦の円満や子どもの学業成功、そして仕事の順調な運びなど、さまざまな願いが祈られます。これは同時に、仏陀や先祖に対する敬意を示す大切な儀式でもあります。

初詣は、自らを清め、過去の不幸を洗い流し、新しい年を幸運と良いことで満たすためのものです。家族や社会とともに、新しい年の到来を祝福し、より良い未来への道を歩むことを祈る大切な機会です。

まとめ

いかがでしたか。ベトナムのテトの様子や風習について紹介しましたが、これはまだ一部であり、実際に体験することでさらに深く理解できるでしょう。

ベトナムのテトは、伝統的な新年の祝いであり、家族や友人との絆を深める大切な機会です。準備は数週間にわたり、家の掃除や新しい服の準備が行われます。祭壇では祖先を敬い、食べ物や花を供えます。新年の最初の日には家族で食事をし、春巻きやバインチュンなどの伝統的な料理を楽しみます。その後、花火や伝統的なゲームを楽しみながら新年を祝います。ベトナム文化の重要な一部であるテトは、その祝祭の雰囲気や人々の心温まる歓迎は、訪れる人々に特別な思い出を残すことでしょう。

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