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グエンさんだらけ!外国人を悩ませるベトナム人の『君の名は』

2023.11.27生活と文化

ベトナムを訪れる際、初めてベトナム人の名前を聞いた時、多くの外国人が驚くことがあります。なぜなら、ほとんどのベトナム人が「グエン」(Nguyen – 阮)という苗字を持っているからです。

今回のブログでは、ベトナムの人々が共有する「グエン」姓について探求してみたいと思います。この「グエン」姓は、ベトナム社会において特筆すべき存在であり、その普及度は驚くほど高いことが指摘されています。ベトナムの歴史やこの姓の普及に影響を与えた要因に焦点を当て、なぜ「グエン」という苗字がこれほど一般的なのかを掘り下げていきます。それでは、ベトナムの「グエン」姓にまつわる興味深い側面を見ていきましょう。

「グエン」苗字の知名度

グエン(Nguyen- 阮)という苗字は、ベトナムにおいて非常に高い知名度を誇ります。実は、この苗字は世界で4番目に多い姓であり、ベトナムの人口の約40%以上がこの苗字を使用しており、その普及度合いは圧倒的です。

また、ある調査によると、世界各地域においてもこの姓は広く見られます。オーストラリアでは7位、フランスでは54位、米国でも2000年の国勢調査では57位にランクされました。特に、その米国での普及は1990年の229位から劇的に上昇し、純粋なアジア人の姓としても認知されています。ノルウェーでは62位にランクされており、チェコ共和国では外国人の姓リストのトップに位置しています。

このような普及の背景には、ベトナムの歴史や文化的背景、そして特定の王朝の影響が深く関わっています。では、なぜ「グエン」という苗字がこの国でこれほど一般的なのでしょうか。その理由について、詳しく見ていきましょう。

なぜこの苗字が多いのか?

「グエン」という苗字は、ベトナムの歴史と文化に深く根ざした特別なものです。なぜこの苗字が多いのか、多くの学者が同意する主な要因は2つあります。第一の要因は、この苗字が初めて使用されたのは、ベトナムの歴史上重要な王朝である「グエン朝」に由来していることです。19世紀から20世紀初頭にかけて続いたグエン朝は、ベトナムの歴史において極めて重要な時期でした。この時代には、社会的な出世や敬意を表すために、人々が自らの苗字を国王の姓に変えることが非常に一般的でした。グエン朝時代では、国王の姓を授ける習慣があり、王や領主が朝廷に貢献した人々に感謝を示す手段として利用されていました。こうした文化的背景から、グエンという苗字の人気が高まったのです。

さらに、古代の封建時代には、王は服従の形として敵の氏族の人々に姓を変えるよう強制することがよくありました。 グエン朝はベトナム最後の封建王朝であったため、以前の王朝のように改名を強いられる新王は存在しませんでした。

また、グエン朝自体も多くの子孫を残していました。 グエン朝の初代皇帝であるザ・ロンは、100人以上の側室を持ったことで有名でした。 第2代皇帝ミン・マンには142人の正式な子供がいました。これらの事実が、グエン姓のベトナム人の数が他の姓に比べて増加している一因となっています。

第二の要因はフランスの植民地政策によるものと考えられています。ベトナムの古代封建時代には、庶民の多くは苗字を持たず、苗字は貴族のものでした。19世紀にベトナムがフランスの植民地になった際、フランスは初めてベトナム全土で最大規模の人口調査を行いました。調査の過程で、彼らは大きな問題に直面しました。

下層階級の人々のほとんどが苗字を持っていなかったため、要約統計を作成することができませんでした。そのため、フランスはベトナム最後の封建王朝の名前である「グエン」を持たない人々にも苗字を与えることとなり、結果として「グエン」という苗字が前例のない規模でさらに普及することになりました。

また、ベトナムの歴史的変革や移民の影響も、この姓の普及に寄与しました。19世紀後半から20世紀初頭にかけての移民の波が、グエン姓を異なる地域や文化に広めることになりました。

グエン姓と言えば一番有名なベトナム人はグエン・シン・クン(ホー・チ・ミン)

グエン姓と言えば、ベトナム人の中で最も有名な人物の一人はグエン・シン・クン(ホー・チ・ミン)です。

ベトナムの歴史や文化において、グエン・シン・クン(ホー・チ・ミン)は最も有名な人物の一人です。彼はベトナム共産党の創設者であり、ベトナム戦争時には北ベトナムの指導者として知られています。彼の幼名はグエン・シン・クン(阮 生恭)であり、成年後はグエン・タト・タイン(阮 必成)、第二次世界大戦まで使用していた変名のグエン・アイ・クォック(阮愛国)でも広く知られています。ベトナム人民からは親しみを込めて『ホーおじさん(ベトナム語:バク・ホー)』の愛称で呼ばれています。ベトナムの独立運動の指導者として、国民的英雄として尊敬されており、彼の名前はベトナム国内外で広く知られ、敬愛されています。

まとめ

今回のブログを通じて、「グエン」というベトナムで最も一般的な苗字に対する新たな視点をお伝えできれば幸いです。同じ姓の人々が集まることが珍しくないため、ベトナムでは立場や年齢の違いにかかわらず、名前で呼ぶことが一般的です。そのため、グエンという姓のベトナム人に出会った際は、このブログの内容を思い出してみてください。彼らの名前には、その背景に関する数々の興味深い事実やベトナムの歴史が詰まっているかもしれません。その名前が持つ重みと意味を理解することで、彼らとの交流が一層深まることでしょう。

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