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ようこそ!ベトナムの若者たちの言葉の世界へPart.2

2024.07.22言語と教育

こんにちは、アイプランニングです!前回のブログ記事では、ベトナムの若者たちが使う独特の言葉やスラングについて探求しました。引き続き、ベトナムの若者文化を理解し、より深いコミュニケーションを築くために、今回のPart2ではさらに興味深い言葉や表現を紹介していきたいと思います。

ベトナムは急速に変化する社会の中で、若者たちが独自の文化を形成しています。彼らの言葉遣いには、伝統的な要素と現代のポップカルチャー、そしてグローバルな影響が融合しており、その背景には深い意味とストーリーがあります。前回のPart1では、「Gấu(ゴウ)」や「Bánh bèo(バイン ベオ)」といった面白い言葉を取り上げましたが、今回のPart2ではさらに多様な表現を紹介します。

日本に住むベトナム人が増えている現代において、彼らの言葉を理解することは、日常のコミュニケーションをスムーズにし、より深い交流を築くために非常に重要です。それでは、ベトナムの若者たちの言葉の世界へ、もう一歩踏み込んでみましょう。ぜひお楽しみください!

11. 割り勘 Campuchia(カンプチア)

ベトナムの隣国カンボジアも、今や若者言葉の仲間入りを果たしています。ベトナム語でカンボジアは「Campuchia(カンプチア)」と呼ばれますが、偶然にもこの「chia(チア)」には「分ける」という意味があります。この言葉の響きの面白さと意味の関連性から、ベトナムの若者たちは「Campuchia」を割り勘を表すスラングとして使うようになりました。

つまり、「chia(チア)」の「分ける」という意味とカンボジアの「Campuchia」という名前が結びつき、会計時に「割り勘にしよう」という意味で「Campuchia」という表現が使われるようになったのです。このユーモアを交えた言葉遊びは、日常の会話を楽しくするだけでなく、若者たちの創造力や言語感覚を反映しています。

12. へぼい Gà(ガー)

もともとの意味は「ニワトリ」です。例えば、「phở gà」は「チキンフォー」、「xôi gà」は「鶏おこわ」を意味します。しかし、ベトナムの若者たちの間では、「ニワトリ」という言葉が相手をバカにする言葉としてしばしば使われます。「Nó đúng là gà nhỉ.(あいつへぼいなぁ)」というように、ちょっと相手をバカにした言い方ですが、比較的悪意のない表現として意外と気軽に使えるようです。何かを皆でやるときに、下手な人や弱い人を冗談でからかうときに使います。

13. うらやましい!GATO quá!(ガートー クアー)

「GATO」とは、通常「ケーキ、洋菓子」を意味する言葉です。例えば、誕生日に出されるような丸いケーキのことを指します。この場合の「GATO」はフランス語の「gâteau」(ガトー)から来ており、日本語でもチョコレートケーキのことを「ガトーショコラ」と呼ぶことがありますが、それと同じ意味です。

しかし、ベトナムの若者たちが使う「GATO」には全く異なる意味があります。この「GATO」は「Ghen Ăn Tức Ở」という慣用句の略で、それぞれの単語の頭文字を取ったものです。もともと「Ghen Ăn Tức Ở」とは、他人の持つものや成功をうらやみ、それによって不快感や怒りを感じることを意味します。つまり、「GATO」は日本語で「うらやましくてイライラする」という意味になります。

例えば、友人がクリスマスに恋人とのツーショット写真をFacebookに投稿した場合、「GATO quá!」とコメントすることで、その状況に対する嫉妬心を表現することができます。さらに、「GATO」はSNSなどで友達同士がよく冗談交じりに使う言葉であり、深刻な意味合いを持たないことが一般的です。

14. やばい Vãi (ヴァイ)

“Vãi(ヴァイ)”は日本語の「やばい」と同じく、予想外の事態や強い感情を表現する言葉です。例えば、「xinh vãi(可愛すぎてやばい)」や「xấu vãi(やべえブサイク)」のように、プラスとマイナスの両方の意味を持つため、使う際は注意が必要です。

“vãi”のもともとの意味は「こぼす、まき散らす」ですが、「vãi đái」から「ヤバイ」という意味に変化しました。”đái”は「おしっこをする」という意味であり、”vãi đái”は「おしっこを漏らしそうになるほどの感情の高まり」を表します。つまり、「vãi」は「ヤバイ」という言葉に転じたのです。

このように、”vãi”はやや下品な表現であり、親しい友人同士での使用が適しています。一般の人に対して使用すると失礼に当たることがありますが、親しい友人同士であれば、特に外国人が”vãi”を使うと、ベトナム人にとって非常に受けが良いです。皆さんもベトナム人の友人の前でぜひ試してみてください。彼らは驚いたり笑ったりするでしょう。

15. 恋人がいない FA(エフアー)

FAとは英語の「Forever Alone」の略称です。「Forever」は永遠を、「Alone」は孤独を意味しますので、直訳すると「永遠に孤独」という意味になります。そのため、FAという言葉は恋人のいない孤独な人を指す言葉としてよく使われます。

しかし、ベトナムの若者の間でFAは別の意味を持ちます。現在パートナーがいない孤独な状態を指し、ポジティブで楽観的な言い方をすれば、FAは真実の愛を待ち望んでいる人、キューピッドが愛の矢を放ってくれるのを待っている人を指します。

さらに、コロナ禍で、ベトナムではF0(コロナウイルス検査で陽性反応が出た人)、F1(F0と濃厚接触した人)、F2(F1と濃厚接触した人)などの概念が広まりました。その後、最初の文字 F が同じだという理由で、FAという言葉が再び流行るようになりました。たとえば、「FA(恋人がいない状態)なら大丈夫だけど、F0(コロナ陽性)ならアウトだ」といった、ストレスフルな状況を和らげるための面白い言い方がたくさん出てきました。

16. 目一杯遊ぶ Quẩy(クアイ)

「クアイ」とは本来、生地を揚げて作る棒状の揚げパンのことを指します。しかし、ベトナムの若者言葉では「クアイ」はまったく異なる意味を持ちます。

さらに、「クアイ」は遊ぶ以外にも、手早く何かをする行為を指す言葉としても使われます。例えば、母親が子供に家を掃除するように言ったとき、子供が「お母さん、心配しないで、ちょっとクアイだけで終わらせるよ!」というように使います。

元々は小麦粉から作られた生地がロープのように捻れた形状から、「クアイのように捻れた」という表現が使われました。これが転じて、クラブやバーで踊る際に体を捻る動きに似ていることから、クラブ好きの若者たちの間で使われるようになりました。その意味が拡大し、今では「クアイ」は目一杯遊ぶ、最後まで遊び尽くす、自由に楽しむという意味になりました。

「クアイ」はもともと面白い意味を持つ言葉で、親しい人同士の会話でよく使われますが、礼儀正しさが求められる場面では適切ではありません。この言葉を使用する際は、不適切な状況で使わないように注意が必要です。

17. 喜びを分かち合う Đi bão(ディーバオ)

「đi」は「行く」、「bão」は「嵐」という意味で、その組み合わせ「ディーバオ」の元々の意味は夜にレースに行くことでした。若者レーサーは通常バイクを使用して夜間にレースを行い、その際に集まったバイクの群れが通り過ぎると、嵐のようにクラクションが大音量で鳴り響きます。しかしその後、徐々に意味が広がり、今では「ディーバオ」はベトナム代表サッカーチームの勝利を祝うために出かけることを表す言葉となりました。これはもはやレースや破壊行為を指すのではなく、ファンの限りない喜びを表現する平和的な行為です。

18. 嘘つき!Chém gió(チェムゾー)

ベトナム語では「Nói dối」も「嘘つき」という意味でよく使われますが、「Chém gió」の方が強調された表現です。直訳すると、「Chém gió」は「風を切る」という意味です。”Chém”は「切断する」、”gió”は「風」を意味します。ベトナム人は大きなことを主張したり強調したりするときに、手を上から下に振る動作(=風を切る動作)をよくします。この動作から「風を切る」という表現が「大げさに言う」という意味になりました。

つまり、「Chém gió」は面白半分のゴシップ話をするときに、一部をでっち上げたり少し誇張したりすることを指します。さらに、話す内容を完全に把握できず、よく知らないことや明確に理解していないこと、またはほとんど知識がないことについても、知識があるかのように話すことも「Chém gió」です。皆さん、「Chém gió=大げさに言う」という意味を理解したら、早速ベトナム人と一緒に「Chém gió」してみましょう!

19. 厄介者 báo(バオ)

báoの本来の意味は、何かが起こったこと、特にトラブルが発生したことを誰かに知らせることです。

この元々の意味から、最近ではベトナムのソーシャルネットワーク、特にFacebookやTikTokで「báo」という言葉が広く使われるようになりました。báoは、何も考えずに行動し、しばしば問題や騒動を引き起こす、役に立たない人々を指すZ世代の俗語です。つまり、周囲に迷惑をかける人や、トラブルを何度も繰り返す人々を指す言葉です。たとえば、炊飯器にお米をセットしたのにスイッチを入れ忘れた友だちに対して、「mày báo quá đi お前って迷惑ばかりかけるよ」と言うことができます。

さらに、báoは人だけでなく動物やペットなどにも使われます。たとえば、前足をなめているときに誤って後ろに倒れ、飼い主のおいしいミルクココアに当たってしまう猫もbáoと呼ばれます。

20. 妻 Nóc nhà(ノックニャ)

もともと”nóc nhà”は、家全体を覆う屋根のことを指していました。昔のベトナムの家族では、”nóc nhà”は比喩的な意味を持ち、家族を支える夫や父親を指していました。家族の”nóc nhà”は、すべての決定を下す絶対的な権力者であり、その意見に誰もが従わなければならなかったのです。

ところが、現代のベトナムでは事情が大きく変わりました。最近のベトナムの若者たちの間で、”nóc nhà”という言葉は逆に妻を指すようになったのです。いまやベトナムでは、家庭の決定権を持つのは男性ではなく、強力な”nóc nhà”として君臨する妻です。夫はすべての決定をするのではなく、妻の意見を尊重し、従わなければなりません。なかなか面白い表現ですね。

まとめ

いかがでしたか。ベトナムのユニークな若者言葉をいくつか紹介しました。これらの言葉は、ベトナムの若者たちの創造性とユーモアを反映しており、現代のベトナム社会における価値観や役割の変化を示しています。言葉の変遷を通じて、ベトナムの文化や社会の一端を垣間見ることができるでしょう。ぜひ、これらの言葉を使ってベトナムの友人たちとコミュニケーションを楽しんでみてください。

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